音楽を聴いて感動する理由は、テクニックだけなのかな。
どうも!トランペット、サックスを使った「ファンキー」な音、新しい時代を自分らしく楽しく生きるための「癒し」の歌詞。
でもって、「ファンキー癒し音楽」のルーク野村です。
音楽を聴いて感動するときって、演奏者のテクニック・技巧が優れているから?
テクニックがスゴイ!名人芸だ!という感動はあって当然。お金と時間をかけて演奏を聴きに来るひとの主な目的、ともいえる。
同時に、テクニックがすごいだけで、お客様は感動するのだろうか?
そんなことをかんがえていたら、ふと、脳性マヒの人が歌を歌う話を思い出した。
この話を起点に、音楽を聴いて感動する理由について、書いてみようと思う。
■ 聴くひとに感動を与える歌
ある日、脳性マヒの人が歌う歌の話を聞いた。
そのかたの歌は、音程もリズムも正確ではないが、独特の風合いで聴く人に感動を与える。こんな話だった。
この話をきいて、音楽は音程やリズムといったテクニックだけが感動を与える要素ではないと感じた。
で、たまたまこの話を聞いたときに、音楽仲間が隣に座っており、その仲間に「いい話だったね」と話しかけました。
■ 予想外の反応
「そうそう、その通り!」
「やっぱ音楽は感動を与えなきゃ」
こんな反応・回答を期待していたが、予想外の回答を得た。
彼の回答は、以下のような内容だった。
「ああいう話はあんまり好きじゃない」
「演奏は、ちゃんとするべき」
■ 下手でもいい!?
下手でもいいのさ!音楽は魂だ!
こういう話を聞くことがある。でも、これではお粗末で話が雑。
下手でもいい場合は、たとえば、幼稚園のお遊戯会の歌の発表。
これは、音程もリズムもめちゃくちゃでいいと思う。身内や親族縁者が、自分の子供や孫を観に行っているのだから。
楽しければオッケー!
ただ、歌そのものを聴いて、感動する場では、ない。
■ 障がい者は下手は失礼
また、以下のような発想は、失礼で好きではない。
- 障がい者なんだから下手な演奏でも多少は割引で聴こう
- 障がい者の演奏は、暖かい目で見守り同情しよう
こういう発想は、演奏する本人に失礼。
障がい者ということは抜きにして、同じ表現者の音楽を味わうのが筋。
■ 記譜されない領域で伝わるもの
話をもとに戻そう。
さきほどの音楽仲間には、「そっすね」のような返事をし、会話はやめにした。
で、返事した後に、こんな想いが残った。
- なんだか想いが伝わらないなぁ
- 想いが共有できていないなぁ
いまいちど、俺の考えを整理しますね。俺は、決して演奏技術を軽視しない。
演奏家は技術を磨き、聴衆に感動を与える。このことは、論を待たない。
一方で、以下の領域がある。
- 演奏技術で説明できない領域
- 記譜できない領域
- 言葉や理論で説明できない領域
これら領域で、聴衆に感動を与えることができるという想いが、俺にはあるんだよね。
■ 演奏技術以外の例
例えば、ほぼ同じ演奏レベルと仮定した場合、以下のいずれが、お客様に感動をあたえますか?
- 楽しそうに笑いながら演奏する場合
- つまらなそうに無表情で演奏する場合
答えは、自明でしょう。
では、以下の1.と2.はどっちが感動を与えるか。
- 書かれた譜面を、専門家の理解や評価通りに再現し演奏する場
- 譜面を素材に、演奏家の解釈で譜面通りでない演奏の場合
時と場合によるかもしれないと思う。
譜面通りの演奏を求める聴衆は、1.を好むでしょう。
演奏家のファンで、演奏家の独特な演奏を聴きたい聴衆であれば2.を好むでしょう。
で、冒頭に紹介した脳性マヒの演奏家の話。
この話から私が感じたことは、以下のようなこと。
- 音楽の演奏には、記譜出来ない、テクニックで説明できない領域がある
- この領域で音が発するメッセージに聴くひとは感動を覚えることがある
理論・テクニックで表現できない言語化不能の領域を、大切にしたいなぁと思う。
■ まとめ
脳性マヒのひとの歌から話をはじめ、記譜されない領域で感動を与えることができる、という話をした。
演奏には、記譜可能、テクニックで説明可能、つまり、言語化可能な領域があり、これら領域で聴くひとを感動させることはできる。
同時に、楽譜にできない、テクニックでは説明できない、つまり、言語化不能の領域もある。
言語化不能の領域を大切にしていきたい。
ルーク野村の音楽を聴いて、○○理論に沿って素晴らしかった!と言われるよりは、上手く説明できないけど、感動した!と言われたほうが、俺はうれしいな。
演奏技術・テクニックと同時に、言語化できないような、音が発するメッセージに敏感でありたい。最後まで読んでくれてありがとう!
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