セブンスコードを、使いこなしていますか?
トランペット、サックスを使ったファンキーな音、新しい時代を自分らしく楽しく生きるための歌詞、ファンキー癒し音楽のルーク野村です。
セブンスコードの使い方は、と聞かれたら何と答えますか?コード譜でG7と書いてあったからその通りに演奏した、じゃあ寂しいです。意味を理解して演奏したほうが、演奏も楽しいし、表現に意味を付けられます。
セブンスの音を強調しなくてもいい場合もありますが、セブンスコードの用法を理解して作曲、アレンジしたいところです。
今回は、音楽理論に基づき難しく説明するよりも、セブンスってなんですか?という初心者向けに、音楽理論の専門用語を極力使わずに説明しようと思います。
もくじ
■ はじめに
今回は、メジャーコードのいわゆるセブンスコードを説明の対象とします。説明の便宜上、CのメジャーのドミナントであるG7を例に説明します。
また、メジャーセブンス(Gmaj7/G△7)は、今回の説明の対象外とします。
メジャーセブンスコードを説明した記事へのリンクは、こちらです。
■ セブンスコードは不協和音
まず、理解しておきたいことは、セブンスコードは不協和音である、ということです。
「嘘つけ!そんな訳はない」「音楽理論によると不協和音和音ではない、理由は…」と反論が聞こえてきそうです。
いままでに何人かのミュージシャンと話をして、セブンスコードは不協和音という理論を頭ごなしに否定されたことがありますので。
でも、私は「セブンスコードは不協和音」と理解した方が、セブンスコードの有効活用につながると思っております。
有効活用してもらうために、セブンスコード不協和音説について、具体的に説明します。
■ 不安定→安定の繰り返し
ところで、音楽って、煎じつめると不安定→安定の繰り返しなんですよね。
不安定→安定というのは「あれ?ちょっと不安だな」→「あ、安心した」の繰り返しを聴くことで、聴いているひとが面白みをもって聞いてくれるという意味です。
どういう経路(進行)をへて、不安定な和音から安定(カデンツ・終止)した和音に落ち着かせるかを表現したのが、その曲のコード進行ということもできます。
一方で、セブンスコードは不協和音と説明しましたが、不協和音だから曲中で使って問題ありません。あくまでも、濁った音が入っているという話です。
セブンスコードを、不安定→安定の繰り返しのどこで使うかという観点で説明します。
■ 不協和音から終止に向かう
ここで、セブンスコードに登場してもらいましょう。Ⅴ7→Ⅰのコード進行は、Cメジャーで以下となる。
G7→C
ここで考慮する点は、以下です。
- 先の説明のとおり、G7は不協和音です。
- 音楽は不安定→安定の繰り返しです。
- Cメジャーの曲では、Cの和音が最も安定した和音です。
不協和音=不安定なG7から、最も安定したCにコードが進行することで、不安定→安定を表現している、と考えてみましょう。
だから、G7はちょっと違和感のある和音、不協和音である、という理解をしたほうが分かりやすいのではないでしょうか。
■ Gから終止に向かう場合を考えよう
別の説明をしますと、以下のⅤ→Ⅰコード進行を見てみましょう。
G→C
GにはG7のような濁ったがないので、GはG7より安定しています。
この場合、安定したGから安定した和音のCにコード進行しているといえます。
もちろん、Cメジャーの曲ではCが最も安定しているから、GはCに比べれは曲中では不安定ですが、Gは不協和音ではないので、G7より安定しているといえます。
だから、不安定→安定の落差を強調したいのであればG→CよりG7→Cのほうが強い、という理解をしておくと分かりやすいです。
■ ブルーノート
ところで、ブルーノートって知っていますか?
Blue Note Tokyoとかのジャズライブハウスではないですよ。
ブルーノートとは、メジャースケールの第3音と第7音を半音下げた音のことです。分かりやすく長調のドレミでいうと、ミ(第3音)とシ(第7音)を半音さげる=♭をつけた音、ということ。ブルースやジャズで使われます。
※ 第5音も半音下げることもあるようです。
一般的に、ブルーノートは寂しく聞こえます。また、コードトーン(ドレミファソラシド)から外れる(シにフラットがついている)ので、違和感をひきおこします。この違和感を狙った音といえます。
G7のようなセブンスコードは、第7音が半音下がっています。つまり、ブルーノートを使った和音という説明もできます。
また、先に説明したようにセブンスコードは不協和音です。であれば、ブルーノートを使った寂しい不協和音から安定に向かうというコード進行が、G7→Cであるといえます。
■ 半音動くのがオイシイ
コード進行は、不安定→安定の経過を表現していると。説明しました。
であれば、不安定から安定に進むにあたり、多くのひとが聞いて滑らかに進行するコード進行が結果として王道の進行となります。
では、滑らかな進行とはどんな進行でしょうか。それは、一部半音で動くコード進行が滑らかであるというのが私の持論です。
具体的に見ていきましょう。
G→Cというコード進行を構成音で見てみると、以下となります。
Gは変わらず。BはCに半音移動しています。
このBからCへの半音の移動のおかげで、滑らかなコード進行に聞こえます。
つまり、構成音の一部に半音の動きがあると、滑らかないい感じに聞こえます。オイシイところです。
この理解のもと、G7→Cを見てみましょう。
Gでの移動に加え、G7の構成音のFがEに半音で移動している。この追加の半音移動が滑らかさを増しているというのが、私の理解です。
G7→Cへの進行は、コード構成音のうち2音が半音で移っているので、滑らかに聴こえます。体感的にも、G→CよりもG7→Cの方が滑らかに聴こえると感じるひとは多いのではないでしょうか。
■ 実際の楽曲での応用
ここまでG7→Cというセブンスコードの特徴を見てきました。
特徴を理解した上で、実際の楽曲に応用してみましょう。
先入観を持たず、以下の2つの例を聞き比べてみてください。どちらが、よいでしょうか。
種明かしをすると、例1がG→Cの進行、例2がG7→Cの進行です。
途中、ブレイクが入っているところがポイントです。
例1のブレイク前がGの場合、Gは不協和音ではなく安定感があります。だから、ブレイク前が落ち着いて聞こえ、ブレイク後のCで完全に終止します。
一方で、例2のブレイク前がG7の場合、G7は不協和音なのでブレイク前に落ち着きがなく濁って聞こえます。その後にCで完全終止となります。
どっちがいいかは個人的な感覚に依存しますが、私はブレイク前に安定感があるG→Cという進行のほうが濁りなく聞こえて好きですね。
今回の例で、ブレイクがない場合はどうだろう。以下の2つの例を聞き比べてみましょう。
上記も、例3がG→Cの進行、例4が、G7→Cの進行です。
ブレイクがない場合、例3のG→Cは円滑に移動せずブツ切り感があるように聞こえます。Gが安定していて、その次のCで完全終止ですので。
それに対して、例4はG7というCに移るときにくっつきやすい和音(先に2音が半音移動すると説明しました)を使っています。ブレイクなく隣接する場合は、G7→Cという進行のほうがつながって聴こえるといえます。
これも、個人的な感覚に依存しますが、私はブレイクなしの場合は、G7→Cという進行のほうが円滑なので好みです。
このように、G7というセブンスコードの特徴を把握して、実際の楽曲で使ってみるとよいと思います。
■ まとめ
セブンスコードについて、以下のような特徴を説明しました。
- セブンスコードは不協和音です。
- 不安定→安定という視点からは、G7→CのほうがG→Cよりも変化が強いです。
- ブルーノートである第7音が半音下がったセブンスコードはすこし寂しく聴こえます。
- G7→Cというコード進行は、コード構成音のなかで半音の動きが2つあり、G→Cというコード進行よりも滑らかな進行といえます。
こんな感じでセブンスコードを理解すれば、自分の曲の使いたいところでセブンスコードを使うことができます。
自分で作った曲があったら、Ⅴ7→Ⅰになっている箇所を探してみましょう。そして、なぜⅤ7→Ⅰにしたのか、考えてみたら面白いでしょう。
または、Ⅴ→Ⅰの箇所をⅤ7→Ⅰにしたらどうなるか、試してみましょう。試してイマイチだったら、元のママでよいと思います。
セブンスコードを上手くつかって、作曲やアレンジに幅がでるといいですね。最後まで読んでくれて、ありがとうございました!
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