自己責任とは、もっともらしく聞こえる言葉ですが、誤用されることも多く、時代遅れです。

どうも!トランペット、サックスを使った「ファンキー」な音、新しい時代を自分らしく楽しく生きるための「癒し」の歌詞、「ファンキー癒し音楽」のルーク野村です。

今回は、自己責任という言葉について、新しい時代を自分らしく楽しく生きるためにという、ルーク野村の観点から書いてみようと思います。

自己責任という言葉があります。

自分の選択による結果、自分の行為による過失、自分がとったリスクが現実となった場合、などについては自分で責任をとる、という意味です。

ただ、この意味が転じて「自分に起きたことは全て自分で責任とれ、私は知らない」と逃げるための言葉として誤用されることが多いです。

自己責任という言葉が、的を得た用法で使われると説得力があります。しかし、近年誤用されることが多く、言葉自体に説得力がなくなってきています。

他人から「この問題はあなたの自己責任だ」と言われると、突き放されたと感じます。この突き放された感に、時代遅れの感覚を私は覚えました。

自己責任が時代遅れということに気づくと、自己責任で対応するよう言われても特に気にならず、適切な対応が取れるようになります。

ということで、自己責任という言葉について、説明していきます。

■ 自己責任が使われ始めた時代

自己責任という言葉が一般によく使われ始めたのは、ちょうど西暦2000年ころです。

この時期に。インターネットを使ったオンライン証券取引が始まりました。株式や投資信託をはじめとする金融商品が世間に広まった時期でもあります。

その当時でも、株式取引は誰でも取引できました。

しかし、手数料が高い、単元株1000株単位が普通だったのでまとまったお金が必要、コールセンター取引ではリアルタイム性に欠けるなど、個人投資家にはハードルく高く問題も多かったです。

そんなとき、オンライン証券が登場し、安価な手数料で、ネット経由でリアルタイム株価を提供し、ほぼリアルタイムで売買注文ができるようになりました。

そのころに、自己責任という言葉が、使われ始めました。

■ 初心者が損をした際の理由づけ

自己責任が使われ始めた背景として、初心者が損をした際に納得できる理由付けが必要でした。

株式取引が一般に広ると、株式投資の初心者が損をしたときに理不尽さを感じ、文句を言うのを避ける仕組みが必要となります。

例をあげると、稼いだお金の30万円で株式を購入したとします。その株が10%増の33万円に上がって売り抜ければ、誰も文句を言いません。ただ、30万円の10%損して27万円になると、どうでしょう。

一生懸命稼いだカネが3万円減るってどういうこと?と、怒る人がいるのは想像に難くないです。

しかし、株価なんて誰も確実に予測できないです。株価が下がって損をしたと怒られたって、株を買うとはそういうものだ、としか言いようがありません。

そうはいっても、初心者が多く参入するオンライン株式取引において、説明する考え方が必要となりました。

■ リスク選好に基づく自己責任

説明する考え方のひとつとして、リスク選好に基づく自己責任で取引しましょう、という考え方があります。

株式の場合、自分が投資した対象=購入した金融商品の取引では損を覚悟でリターンを求めているという状況を、株式投資初心者に理解させることが重要です。

でも、「リスクを取る=損を容認する」レベルは個人的な感覚によって違いがあります。

リスクを好む / 嫌う感覚のレベルを「リスク選好」といいます。

リスク選好という考え方に基づくと、以下となります。

  • リスクを好むならば株を買っても後悔しにくいので、リスクを覚悟で株式取引をしましょう。
  • リスクを嫌うのであれば、損するリスクがある株は購入せず、元本保証のようなハイリターンを望めない金融商品を購入しましょう。

リスク選好に基づき自己責任で、という考え方を世に広めようと、証券業界全体で動いていたように思います。

■ 自己責任の正しい用法

リスク選好に基づく自己責任、という場合の自己責任は、正しい用法だと思います。

株式取引は自分自身のリスク選好を自覚する必要があり、まさに自己責任です。

怒るなら、株を買うのをやめよう

自分で判断して自分の責任で購入するのですから。損したからといって誰かの責任にすることはできません。

誰かのせいにするのであれば、株を購入しなければいいのです。

まさに、自己責任という言葉が、正しく使われた例です。

■ 連帯責任と自己責任

自己責任と対をなす言葉として、連帯責任という言葉があります。

説明したように、西暦2000年ころに、自己責任という言葉がインターネットオンライン証券に代表される新しい時代の言葉としてもてはやされました。

もてはやされた背景としては、自己責任がオンライン株式投資という時代に合った言葉であることと同時に、21世紀に入るまえは連帯責任という考え方が日本で幅を利かせていたこともあります。

連帯責任という考え方に嫌気がさしていた多くの人にとっては、連帯責任のおよそ対義語にあたる自己責任という考え方が新鮮でカッコよく思えたのでしょう。

連帯責任ではなく自己責任、という新しい考え方が新しい時代を代表する考え方のように思われ、市民権を得たのです。

■ 新語の用法が転じて

ただ、新語が常に的を得て利用されるわけではありません。転じて誤用されるようになります。

正しい用法で使われている限りにおいては問題ないですが、流行りの言葉の説得力を背景に、自分の勝手な都合に合わせて使われるように意味が転じてしまいました。

なんでもあなたの自己責任!私は関係ない!のように用法が転じて誤用されるようになってしまいました。

例えば、以下のような用例は、どうでしょう。

  • 旅行先で地震災害にあったひとが、水を持っていなくて困っている。あなたの自己責任だ!
  • 景気が悪い時に就職活動の時期が重なり、内定が取れなかった。あなたの自己責任だ!

こんな場合に、あなたの自己責任だ!と言い放っても、説得力がありません。

自分で選んだわけでもなく、自分ではコントロール不能の事態に巻き込まれても自己責任!では、理論破綻しています。

自己責任の誤用であり意味を取り違えていますので、説得力がありません。

■ 時代は変わっている

同時に、オンライン証券が流行りだした2000年ころから時間が経過し、時代も変わっています。

連帯責任に嫌気がさして自己責任という言葉が受け入れられた時代と、今の時代とは異なります。

私が思うに、これからは相互扶助社会になるのではないでしょうか。

どんな社会になるか、自己責任の説明で使った具体例の株式取引を例に、説明します。

株式取引で損をしたから全額損失補てんしてくれ、は考え方として間違っています。買わなければいいのですから。株式取引は自己責任です。

でも、株で損をして大変ならば、晩メシをおごるよ、という友人がいてもいいと思うのです。

株で大損して住む家もなくなったなら「一ヶ月くらい俺の家に住みなよ、その間に次の生活を一緒に考えよう」という優しいひとがいてもいいと思うのです。

そうやって相互扶助していく社会になる、と私は考えます。

相互扶助の社会へ

株式取引の損を全額補てんするような社会はいびつですが、損をしたら全部自己責任で周囲は無視、というのも極端なのではないでしょうか。

だから、自己責任という言葉が幅を利かせている現状のはオカシイと、多くの人が感じているでは、と私は考えます。

なんでも自己責任、という考え方はこれからの時代にあわなくなります。

■ まとめ

自己責任という言葉が使われ始めた時期のこと、なんでも自己責任という考え方は理論破綻しているうえに、これからの時代には合致しなくなるということを説明しました。

こういうふうに、自己責任という言葉の背景、正しい使われ方、間違った使われ方を理解しておくと、自己責任でなんとかしろ!と 他人に追及されても冷静に対応できます

なんでも自己責任として他人を突き放してよい、という考え方は、間違いです。時代遅れです。

ある程度は自己責任で引き受けても、周囲の人の優しさは素直に受け取り、助けを求めることは恥ずかしいことではない、という理解がよいのではないでしょうか。

自己責任という言葉を理解して、これからの時代を楽しく生きていきましょう。最後まで読んでくれて、ありがとうございました!

ルーク野村 MVのご紹介

ルーク野村のMV(Music Video)「30年前のあなたに」が完成しました!

好きだったけど、好きと言えなかった。こんなほろ苦い思い出はありませんか?

いまさら、どうにもならない。でも、もう一度逢って好きだった!と言いたい。

こんな想いを持つ、あなたへの曲。 ルーク野村オリジナル曲「30年前のあなたに」。ルーク野村初!のMVです。

ぜひ一度、ご覧ください。