楽譜を書くときに、繰り返しの記譜を工夫していますか?

どうも!トランペット、サックスを使った「ファンキー」な音、新しい時代を自分らしく楽しく生きるための「癒し」の歌詞。

でもって、「ファンキー癒し音楽」のルーク野村です。

繰り返しのない楽譜って、あんまりないと思います。繰り返しがないとは、2番のない曲ともいえますから。つまり、楽譜を書くたび、なんらかの反復記号を使うことになります。

楽譜で反復記号を使うとき、分かりやすさに気をつけていますか?使い方を間違うと、分かりにくく読みにくい楽譜となってしまいます。

せっかく楽譜を書くなら、楽譜を受け取ったひとが速く正確に理解できる分かりやすい楽譜をめざしましょう。

この記事では、ロック・ポップスで使われる反復記号の使い方のコツを紹介します。

■ 反復記号の紹介

ロックやポップスの楽譜で使われる反復記号には、以下があります。

  • リピート(反復)記号 / 1番括弧 / 2番括弧
  • D.S.(ダルセーニョ)/ セーニョ記号
  • Coda(コーダ)
  • D.C.(ダ・カーポ)

上記以外にも、クラシックの記譜法では特殊が繰り返し記号があるようです。ただ、楽譜を読む人が知らないような特殊な記譜法を使って、伝わらなければ意味がありません。

楽譜は、ミュージシャン同士のコミュニケーションを図る道具です。特殊で難解な記譜法は、避けましょう。

・リピート(反復)記号 / 1番括弧 / 2番括弧

リピート記号からリピート記号の間を繰り返します。

たいてい始まりのリピート記号がありますが、ない場合は曲の頭に戻ります。

1番括弧・2番括弧がある場合は、それぞれ一回だけ通ると覚えておきましょう。1番括弧の後にリピート記号で戻ったら、1番括弧は飛ばして2番括弧に入ります。

具体的な例を、以下に紹介します。

上記の繰り返し記号に従った歌詞は、以下となります。

一番 歌って みたけれど イマイチ 上手に 歌えない

二番を 歌った その時に 初めて 上手に 歌えたかしら

・D.S.(ダルセーニョ)/ セーニョ記号

ダルセーニョは、D.S.と書いてあるところからセーニョマークに戻ります。

セーニョマークは、以下のようなマークのことです。

ロック・ポップスの場合、前奏→Aメロ→Bメロ→Cメロ(サビ)→間奏など、と一連の曲を演奏して、Aメロのアタマに戻って二番に入るときなどに使われるのが一般的です。

・Coda(コーダ)

Codaは、to CodaのあるところからCodaに飛びます。

Codaのマークは、たいてい以下のマークを使います。

そのままエンディングに行くのが通例です。

・D.S.とコーダの具体的な使い方

ここまでD.S.(ダルセーニョ)とコーダの使い方を説明しましたが、具体例がないとわかりにくいですね。

下記の楽譜の模式図の例では、以下の順番で演奏します。

  • イントロ→Aメロ→Bメロ→Cメロ→間奏
  • D.S.でセーニョマークに戻る
  • Aメロ→Bメロ→Cメロ
  • to CodaのマークでCodaに飛ぶ
  • エンディング

このように、ロックやポップスの楽譜でD.S.を使う時は、たいてい、Codaはエンディングに使います。

クラシックの楽譜であれば、D.S.で繰り返し後の演奏終了箇所が、Fineやフェルマータ―で記譜されることがあります。ただ、ロックやポップスでは、ほぼないです。

Fineと記載されても、演奏終了すると読み取れなかったら、コミュニケーションの道具である楽譜としては、価値が低いでしょう。

ですので、Coda = エンディングという使い方で、まず間違いないと思ってください。

・D.C.(ダ・カーポ)

ダ・カーポは、D.C.と記載あるところから、曲(楽譜)のアタマに戻る記号です。

D.S.(ダルセーニョ)との違いは、D.S.はセーニョマークに戻ります。それに対してD.C.はマークの指定なく曲のアタマに戻ります。

指定がないので、わかりやすいように見えます。

ただ、実際は使いにくいです。使いにくい理由は、追って説明しますね。

■ 繰り返しを分かりやすく

上記で説明した繰り返し記号を使ってわかりやすく楽譜を書くと、曲の構成が伝わり、理解してもらいやすくなります。

以下に、分かりやすく繰り返しを楽譜で書くときの注意点を紹介します。

・ダカーポは使わない

上記で紹介したダ・カーポは、使わないほうがいいです。

理由は、戻る箇所を明記したほうがいいからです。

8小節や16小節くらいの短い曲なら話は別だです。ただ、そんな小節数のロックやポップスの楽曲はないでしょう。

Aメロ、Bメロ、サビ、間奏などがある曲は、それなりの長さの譜面になります。

そんな曲の途中でいきなり「D.C.」と記譜されても、見慣れていない場合、難しいでしょう。また、ダ・カーポを正確に理解していないと、初見の楽譜であれば戸惑ってしまいます。

ロックやポップスの譜面でダ・カーポはあまり使われないので、実際に戸惑った人を見たことがあります。ダ・カーポを書いた譜面を配るときは、「D.C.でアタマに戻りますよ」と説明したほうが確実に伝わります。

ダ・カーポとなる(曲のアタマに戻る)曲の構成ならば、あえてダルセーニョ「D.S.」を書いて、曲のアタマにセーニョマークを書いたほうが、伝わるかな、と思います(記譜法として、違和感ありますが)。

私の経験上、ダ・カーポは使わないほうがいいですね。

・D.S.とリピート記号を使うと発生する問題

D.S.(ダルセーニョ)とリピート記号は、同時に使うと、問題が発生する場合があります。

具体例を使って説明します。以下のようにAメロでリピート記号を使った楽譜があるとします。

この場合に「ダルセーニョでセーニョマークに戻ったあとに、1括弧を繰り返すか?」という議論に巻き込まれたことがあります。

どうやら「ダルセーニョ後の繰り返し記号は、無視する(繰り返しなし)」が譜面の読み方というルールがあるようです。私の身の回りの知り合いに聞くと、クラシック界隈の一部では常識のようです。

ロック・ポップスでは、あまり聞かないルールですが。。

ただ、ロック・ポップスでも、ダルセーニョで戻った2番のAメロは、繰り返しなしでBメロに入る曲も少なからずあります。そういう場合は、譜面に「D.S.後繰り返しなし」を明記するほうが伝わりやすく間違いも減るでしょう。

・問題解決の方法

このように、ダルセーニョ後の繰り返し記号の解釈については議論があります。

しかも、ダルセーニョ後に繰り返し記号があると、そもそも譜面が読みにくいです。

そこで、問題解決のための対応としては、繰り返し記号を使わない(繰り返しを開く)ほうがいいです。具体的には、以下のように書き換えたほうが、解釈の違いを回避できます。

このような楽譜を書くことで、ダルセーニョ後に繰り返すか?という解釈の違いを回避できます。

しかも、繰り返し記号がなく演奏する順に譜面を読めばよいので、演奏ミスも減りますね。

繰り返し記号を使わず開くことで、楽譜が読みやすくなります。

・To Coda/Codaは正確に

To CodaやCodaマークは、正確に記譜しましょう。

上記で紹介したように、Codaはエンディングと考えて問題ないです。

つまり、to Codaは「エンディングに行きます!」印のようなものです。この印がずれていると、エンディングに入るところの意識が合わなくなります。

〇 記譜する場所を正確に

to Codaは、正確に記譜しましょう。

通常は小節の切れ目でCodaに飛ぶので、to Codaを小節の切れ目に書くように注意します。

以下の例のように中途半端に書いてしまうと「3拍目からCodaに飛ぶのか?」と焦ってしまいます。

コーダに限った話ではないですが、演奏記号は正確な場所に記譜しましょう。

■ まとめ

ここまで、ロックやポップスで使われる、以下の反復記号を紹介しました。

  • リピート(反復)記号 / 1番括弧 / 2番括弧
  • D.S.(ダルセーニョ)/ セーニョ記号
  • Coda(コーダ)
  • D.C.(ダ・カーポ)

繰り返しを分かりやすく記譜する工夫として、以下を説明しました。

  • ダカーポは使わない
  • D.S.とリピート記号は同時に使わない
  • To Coda/Codaは正確に記譜する

分かりやすい譜面を書くと相手に意図が伝わりやすく、練習や演奏の効率がよくなります。

よみやすい楽譜を活用して、楽しく仲間と演奏できると、いいですね。最後まで読んでくれて、ありがとうございました!

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