どうも!トランペット、サックスを使った「ファンキー」な音、新しい時代を自分らしく楽しく生きるための「癒し」の歌詞。
でもって、「ファンキー癒し音楽」のルーク野村です。
ルバートで歌うのは、難しい。
テンポなしで歌うので自由に歌えるともいえるが、フレージングが上手くいかないと、ルバートのよさが出せない。インテンポで歌うほうが、かえって歌や歌詞が伝わるようではルバートで歌う意味がないからね。
最近、俺自身がルバートにチャレンジしたときに注意した4点を、この記事にまとめておいた。
あなたがルバートで歌う際に、参考になるとうれしいなぁ。
ということで、ルバートの意味から説明をはじめ、ルバートで歌うときの注意点を紹介していくね。
■ ルバート 元々の意味
まず、音楽用語としてのルバート/テンポ・ルバートを確認しておこう。
イタリア語のテンポ・ルバート(tempo rubato)を直訳すると、「盗まれた時間」という意味。Wikipediaによると「音符の音価の一部を奪い、他の音符に付与することを意味」する。
つまり、全体のテンポは変化しない、という理解となる。
例えば、ショパンやドビュッシーのピアノ曲の譜面には「tempo rubato」という表記がある。この場合は、強調したいとことを長めに弾き、他の箇所で速めに弾くような表現をする。多少アドリブっぽく弾くともいえるが、演奏記号の「ad lib」とは異なる。
クラシック演奏の場合、テンポ・ルバートを上記のように解釈をするようだ。
■ 意味が転じて
一方、最近ではルバートの理解は変化し、テンポが一定ではなく自由なテンポで演奏する、という意味で使われる。
特に、ジャズの演奏家はルバートとはテンポなしで演奏すること、と理解している。
自由とは言っても、 思いつくまま、気の向くままではない。ある程度、曲の流れを維持して演奏する。
具体的には、突然倍テンポになったり、いきなりドーンと遅くなったり、では曲として成立しない。聴いているお客様も突拍子なさを感じてしまい、聴いていて楽しめない。
強調したいところでリタルダンド(ゆっくりと)や、フェルマータ(伸ばす)を付けるような演奏が、基本となるかと思う。
■ ルバートで歌う
ここまでルバートを説明したうえで、この記事の本題である「ルバートで歌を歌う」に入ろう。
模範となる例としては、シャンソン歌手 越路吹雪さんの「枯葉」のイントロ部分が有名。
ルバートなので、一定のリズムなく語り口調で歌う。ルバートが、効果的に活用されている。
と、具体例を紹介したところで、ルバートで歌うときに考慮にいれると有効と思うポイント4点を、以下にいくつか紹介させて。
1.しゃべるように歌う
ルバートで歌う場合は、セリフをしゃべるように歌うのがよい。
歌なので、ピアノなど楽器演奏でのルバートでなく、歌うときに歌詞を使える。であれば、最大活用するために、しゃべるように歌いたい。
上記の越路吹雪さんの「枯葉」のところでも触れたけど、ルバートは語り口調で歌うのが効果的で、歌詞や歌に乗せた思いが聴いてくれるひとに届きやすくなる。
イメージとしては、ミュージカルでセリフから歌に変わっていく変わり目に、歌いながらセリフをしゃべるところがあるけど、あんな感じかと思う。
2.しゃべるときの声域に合わせる
言葉をしゃべるときの声域に合った音域で歌うと、しゃべり言葉に近くなり、ルバートが生きる。
セリフのようにしゃべる言葉に近い歌い方を目指すとすると、しゃべるときの音の高さの範囲内に歌う旋律がおさまっているのが望ましい。
旋律の音が高すぎたり低すぎたりしたら、通常しゃべる言葉とは異なる音程で歌わざるを得なくなり、しゃべるように歌うのが難しくなる。
だから、ルバートで歌う時は、以下のいずれかの工夫をしたほうがいい。
- 自分の声域にあった歌を選ぶ
- 声域に合わせて移調する
3.コード進行を簡単にする
ルバートで歌うときの伴奏のコード進行は、簡単にしたほうがいい。
なぜかというと、ころころコード進行してしまうと、コードチェンジでテンポが発生してしまい、ルバートっぽくならないことがあるから。
また、コードチェンジが多いと伴奏してくれるプレイヤーの裁量の余地も減ってしまい、ルバートの演奏がしにくくなる場合がある。
なので、コード進行は単純にしてしまったほうがいい。
たとえば、以下のコード進行でルバートを歌う曲があるとする。
|| C | Am7 | F | G7 || C |
こんな場合、いっそのこと並行調のAmのままCに戻る、としてしまう方法が考えられる。
|| C | Am7 | Am7 | Am7 || C |
曲によっては、コードチェンジしたほうが伴奏しやすいこともある。伴奏してくれるプレイヤーの好みにもよると思うので、相談しながら決めていくとよいと思う。
4.腹で声をささえる
しゃべるように歌うときには、腹で声をささえることに注意しよう。
しゃべるように歌うはいいのだが、しゃべるわけではない。しゃべるほうに意識が向かうと、歌への意識が希薄となりがち。
歌う意識が薄くなると、普通に話す意識となってしまい、お腹から声を出さずにルバートを歌ってしまう。
そうすると、腹から声をださないために息が安定せず、音程が安定しなくなる。
ルバートでしゃべるように歌う時には、歌を歌っている意識をわすれず、腹式呼吸でお腹で声を支えるよう意識しよう。
■ まとめ
テンポ・ルバートの元々の意味といまの時代の意味を説明し、ルバートで歌うときには、以下のような点に注意するとよい、ということを説明した。
- セリフをしゃべるように歌う
- しゃべるときの声域に合った音域で歌う(移調などで工夫する)
- 伴奏のコード進行は、簡単に
- 腹で声をささえることに注意
テンポ・ルバートの意味を把握し、ルバートで歌うときの注意点を意識すると、ルバートが生きてくる。思いつきや感覚でルバート風に歌っても、聴くほうからすると、単なるリズムがブレた変な歌になってしまいかねない。
ルバートで歌い、歌詞や思いが聴いてくれる人に伝わるといいね。 最後まで読んでくれて、ありがとう!
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