■ 許すという言葉

許す、という言葉の意味はなんだろう。goo辞書によると、以下だった。

1 (「聴す」とも書く)不都合なことがないとして、そうすることを認める。
希望や要求などを聞き入れる。「外出が―・される」「営業を―・す」

2 (「赦す」とも書く)過失や失敗などを責めないでおく。
とがめないことにする。「あやまちを―・す」

3 (「赦す」とも書く)義務や負担などを引き受けなくて済むようにする。
免除する。「税を―・す」「兵役を―・す」

(以下省略)

なるほど、いろいろ意味がありますね。

で、一般的に言って、ひとを許す、というと、どういう意味だろうか。

 

例えば、あなたが誰かにモノを貸して、借りた人がなくした、とする。

そういう場合、なくしたその人を、あなたが「許す」というと、どういう意味だろう。

 

■ 一般的な意味:許す = 全ての誤ちをなかったことにする

この場合の「許す」は、全ての誤ち、財産的な損害、などを、 なかったことにする、という意味となることが通例のようだ。

 

あなたが貸したモノが、財産的価値が低く、再度調達可能であれば、許すことは比較的容易だ。

 

一方で、貸したものが高価なモノや、かけがえのないモノだったら、どうだろう。

容易に許せない、となりがち。

 

特に、お金を貸した場合は、ややこしい。

借りたお金を落としてしまった、うっかりどこかの置き忘れてしまった、無駄遣いしちゃった、という場合でも、借りたひとは、お金は等価なお金を別途調達出来る。

 

例えば、自分の手元のお金で返す、働いて返す、なければ借りて返す、などの埋め合わせができる。

 

だから、貸したお金について、落としたならしょうがない、置き忘れたならしょうがない、無駄遣いしちゃったのはしょうがない、と許すことが出来る人は、少数派なんじゃないかな。

 

■ 許すせない相手に自分が振り回される

誰か他人を許せない、という時は、いろんな気持ちが入り混じっていることが多い。

 

自分の財産を毀損させられた。

信頼を裏切られた。

自分が軽んじられた、バカにされた。

誠意をもって事後処理に当たらない相手が不愉快…

 

同時に考えたいことは、相手を許さないと、自分が相手に振り回され続けるということ。

相手を許さないと、上記に列挙したような否定的な思いが、自分の中にずっと残ってしまう。

 

許してしまうと、自分の損害の賠償の放棄が確定し、バカにされたことを肯定してしまう。

でも、許さない!と思っていると、相手の言動に振り回されて、自分が感情的に落ち着かない。

 

■ 勝つまで憎悪感。負けると、さらなる憎悪感が延々と。

こんなとき、たいていの場合は、一切相手を許さず、自分の主張を押し通して、相手を負かすべく努力する、という方法をとる人が多い。

 

この方法をとりたい人は、あえて止めない。

 

ただ、自分の思う通りの結果、つまり、相手に勝って納得するまで、相手を憎む感情が消えることはない。勝つまで時間がかかる場合は、勝つまでの間、ずっと、憎悪感、不快感に苦しむ。

 

また、思う通りの結果にならなかった場合、つまり、相手に負けた場合は、さらなる憎悪感、不快感に苛まれる。勝つまで延々と、執念深く戦う人もいる。

 

これじゃあ、ココロが休まらない。

 

なので、俺のオススメは、相手を許すこと。

 

■ 許すという言葉にはもう一つの意味がある

いや、許しちゃダメでしょ、なんで、過失ある相手を許さなきゃいけない!?

悪行を簡単に許すと、やったもの勝ちでしょ。ありえない。

不法行為を許すのは、社会正義に反する!

 

こんな思いに駆られる人が多いのでは、と思う。

 

ただ、ここで俺が使う「許す」という言葉は、一般的な意味と  チョット違う。

 

どういう意味かというと、あくまでも、自分の中で許す、といえばいいのかな。

先に説明したように、一般的な「許す」が意味する、全ての過失、悪行、不法行為、などを全部水に流すわけではない。

 

自分のなかで、相手を感情から切り離す、ということ。

 

「わたしは、あなたを許しました」と自分のココロなかで、自分に対して宣言する。

そして、もう、許した相手を憎まない。起きたことも全て許容する。

 

そうすると、自分の中で、今まで許せなかった相手や、目の前で過去に起きたことなどに、感情的に振り回されなくなる。

 

■ 仲良くなる必要は、 ない

あくまでも、自分のなかで許しただけ。

 

なので、許した相手と仲良くなる必要は、ない。

許せない事件が起きる前に仲良しだったらからといって、仲直りする必要もない。

 

仮に、裁判を起こしているならば、継続したければ、すればいい。

自分のなかで許しただけなので、自分の外での行為としての裁判は続ければいい。自分がやりたいように、やりたいことをすればいい。

 

こんなふうに、自分のなかで、許せない相手を許すと、憎悪感、不快感に苛まれることはなくなる。

 

あくまでも、自分が楽になるために、自分のために、許せないと思っている相手を許す。過去に起きたことを許容する。

 

■ 許すの意味を取り違えると

このように、自分のなかだけで許すという許しと、許すという言葉の一般的な定義の許しとでは、意味が異なる。

 

自分のなかだけで許す、という意味のつもりで、「もう、許してあげたら」「許したほうが楽になるよ」と話しかけたとする。

 

そのとき、一般的な意味の許すという言葉の意味で解釈されると、「何言っちゃてんだ!許せるわけないだろ!」と、話す相手が感情的になって、うまく伝わらない。

 

だから、俺がここでいう、自分のなかだけで許す、という意味をはっきりさせるために、別の言葉を作ったほうがいいのかもしれない。

 

例えば、自己内許容、とか。単語が長いかな。

 

■ 許せない相手がいたら、自分のなかで許しましょう

許せないひとがいたら、自分のなかだけで、許す。

そうすれば、誰あろう、あなた自身が負の感情から解放され、楽になる。

 

自分のために、ただ、自分だけのために、自分のなかだけで、相手を許す、ということ。

 

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